唐辛子は布を赤くさせる?~唐辛子を使うワケ~
こんばんは。
すっかり更新が遅くなりましたが、ちゃんと実験やりました!
早速実験報告!…と行きたいのですが、
そもそもなぜ唐辛子???とお思いのことと思います。。。
なのでまずはその話から。
ちょっと長くなりますがご了承ください・・・
苗族も侗族も、亮布や侗布を作る工程の中に必ず布を蒸す工程があります。
どちらも藍染した布を蒸すのですが、その目的はそれぞれ異なるようです。
〈苗族(亮布)の場合〉※革東の苗族を参考にしています
蒸しの工程の前に豆汁に布を浸す工程があり、蒸しはその豆汁を定着させる目的があります。
(この後は別の植物染料を重ね染めるようです)
〈侗族(侗布)の場合〉※三江の侗族を参考にしています
藍染も牛胶浸しもソメモノイモ浸しも終わった、染色工程の最後に蒸します。
彼らは布を赤く、また光沢を出させるために布を蒸します。
苗族と違う点です~!
苗族と侗族とで蒸しの目的に違いがある他に、もう一つ違いがあります!
それは。。。
蒸すときに使う植物の種類が違うのだそうです。
蒸し器自体は苗族も侗族もほとんど同じです。
↑これが蒸し器(黎平県肇興にて)。
この筒の中にまず稲わらを厚く敷き詰めるところまでは同じですが、この後、稲わらの上に載せるものが違ってきます!!
苗族→布に包んだ藍布を置く。
布に包むのは、藁のアクで布が汚れるのを防ぐためだそうです。
侗族→唐辛子と赤い色をした植物(つつじなど。植物は地域により様々)を載せ、その上に布を置く。
どうやら侗族女性の間では「布は赤いものと一緒に蒸すと赤くなる」という共通認識があるらしいのです…!!!
ちなみに苗族も唐辛子を使わないわけではありません。
どこで使うかと言いますと・・・
豆汁の中に入れています!
これには「仕上がりが赤くいい色になるように」との意味が込められているようです。
もうお分かりでしょうか、今回私が唐辛子にこだわる理由が・・・
苗族も侗族も、布を赤くするために唐辛子を用いています。
侗族の間で共通認識事項になるほど、果たして唐辛子には本当に布を赤くする効果があるのか???
それとも実際その効果は無く、単なるおまじない的ポジションにすぎないのか…???
それをはっきりさせるべく、今回の実験に至ったのでした。
今回は長くなったのでこのへんで。
次回から早速実験報告に参りたいと思います!
写真全然なくてごめんなさい。。。
参考文献:
・鳥丸貞恵・知子氏著『布に踊る人の手』西日本新聞社 2004年
(特にp23,24 今回の記事の具体的な写真があるので、本をお持ちの方は是非ご覧ください!!)
・蘇玲氏著『侗族亮布』雲南大学出版 2006年